僕のonly princess



それから色んな女の子から、嫌味めいたことを言われるようになった。


だけど、私は負けたりしない。
彼女達の心ない言葉に心は痛くなるけど、それでも自分から江本くんと離れたいとは思わなかった。


その日も江本くんと放課後、いつもの駅の売店の前で待ち合わせをしていた。
私の学校の最寄駅だから当然、同じ学校の女の子達もたくさん行き交う。
運悪く、売店の前で江本くんを待つ私を彼女達が見つけてしまった。


「あら、鶴見さん。こんなところで誰を待ってるの?まさか薫くん?」


「……」


無視を決め込もうと思って何も答えないでいると、彼女達はいつもの見下すような目を向けた。


「私達を無視するなんて、あなた性格も最悪なのね。本当に薫くんには不釣り合いだわ」


「……」


何を言われても気にしちゃダメ。
そう自分に言い聞かせて、私はそのまま俯いていた。


「あなたみたいなどこの馬の骨ともわからない子、薫くんもすぐに嫌になるでしょうね。薫くんは知っているのかしら、あなたの素性」


「っ、な……」


私はその言葉に思わず顔を上げた。


私の素性……


この人達は私の何を知っていると言うの?


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