僕のonly princess
佐知達が帰国して数日。
俺はすっかり理子ちゃんの虜になっていて、毎日家に帰るのが楽しみで仕方ない。
佐知達が帰国した日の夜、結花ちゃんの声が聴きたくて電話をして、結花ちゃんの言った通り姪っ子のことが大好きになったと報告した俺に、結花ちゃんは嬉しそうに『よかったね』と言ってくれた。
本当に嬉しくて、それが全部結花ちゃんのおかげだと思うと彼女に会いたくて堪らなくなった。
今日の放課後、結花ちゃんとあの日以来のデートだ。
朝、今日はいつもより遅くなると告げた俺に、ちょっぴり拗ねて見せた理子ちゃんが可愛くて、その小さい頭を思いっきり撫でてぐしゃぐしゃにして家を出た。
そんな俺を少し意味深な笑顔で送り出した佐知は、色々と感づいているのかもしれない。
それならそれでいいんだけど。
と言うか、佐知達が滞在中に結花ちゃんを家に連れてきて紹介してもいいなと思っていた。
今まで付き合った女の子を自宅へ呼ぶことなんて一切なかったし、考えもしなかった俺なのに。
ホント、最近の俺はどうしたんだろうか。
まるっきり変わった自分の思考や振る舞いに疑問を持つけど、まったく嫌じゃない。
寧ろ、そんな自分の変化が嬉しいくらいだ。
だけど、そんな浮かれていた俺の足元は一瞬で崩壊することになる。