僕のonly princess
ことの始まりは、結花ちゃんとの待ち合わせ場所に向かうために学校を出ようとした俺のスマホ届いた結花ちゃんからのメールだった。
『今日、急用ができたから行けなくなったの。ごめんなさい』
それだけの短いメール。
『どうしたの?大丈夫??』
と返信すると『大丈夫。本当にごめんなさい』とまた短いメールが返ってきた。
違和感を覚えたものの、急用なら仕方がないと俺はそんなに気にも留めずに今日のデートを諦めた。
本当は結花ちゃんに会えるのをすごく楽しみしていたから、残念で仕方がなかったけど、結花ちゃんにだって都合はある。
それに今日がダメでもすぐに会えると思っていたから、素直に了解のメールを送った。
結花ちゃんの来られない原因をメール通り急用だと思っていた俺は、何も深く考えていなかった。
それがどんなに重大なことだったかを知りもしないで。