深海魚Lover
静まる時の中----

汗を掻いたこめかみにピッタリとくっつく私の髪に触れた貴方の指先。

その手はそのまま私の頭を撫で、軽いキスをくれた。


貴方に、腕枕をされながら話す。


「明日はこの辺りを観光しようか?」

「はい、そうですね
 端から紅葉を見ましょう」

「ああ、そうしよう」

「お昼、お弁当があれば
 もっと楽しめるのに……

 そうだ、作って持って来れば
 今日だって良かったのに
 私ってば本当抜けてる」

「何、それは次にしよう
 楽しみは取って置かなくちゃ」

「そうですね
 楽しみがいっぱい」

「ああ、そうだ

 いっぱいだ

 さあ疲れただろう、もうおやすみ」

「はい、おやすみなさい」
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