深海魚Lover
「運転しんどくても車の方が何かと
 小回り利きませんか
 電車、人ごみ疲れません?」

「ああ、と~っても疲れたよ

 分かるだろう?」


充さんに意味ありげな視線を送る、京次さん。


「はい、何がっすか?」


疲れている=お暇してほしい。

その気持ちを、充さんに汲めと言うのは無理がありそう。

京次さんはもういいと呆れてる。


出雲さんは、いつものように潤司君をさっと抱きあげる。


「アニキ

 しんかんせん、カッコよかったよ」

「そうか、それは良かったなぁ

 いっぱい遊んで
 いっぱい食って
 欲しい物いっぱい買って来たか?」

「うん、いっぱいだよ

 アニキ、あれ」


潤司君が指差した場所には、紙袋。
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