深海魚Lover
「あ~、急の様思い出したわ
 
 俺帰るわ、またな」

「おう」


玄関へと向かう出雲さんとすれ違う私。


「イズモさん、もう帰られるんですか?
 
 珈琲か紅茶
 どちらがいいか今聞こうと……」

「それ、京都の土産
 キョンに貰ったのか?」


私の頭を指差す、出雲さん。


「はい」

「お前に似合ってる」

「本当ですか

 ありがとうございます」

「おう、また来るわ」

「はい、いつでもいらして下さい
 待ってます」


待ってます、かぁ?

……待ってていいのか?


出雲は一瞬、口元を緩めた。
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