深海魚Lover
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瞳に映る、無彩色のアスファルト。

遠く、車のクラクションの音が聞こえる。


陽が落ちても尚明るいそんな街にも、明かりの届かない見放された場所は存在する。


暗く、どす黒いこの場所----

高層ビルの間に埋もれた壁に思いっきりぶち当たる、体。


「カシラ、大丈夫ですか!?」

「ペッ」


出雲が地面に吐き出した唾には血が混ざる。

殴られた唇の端から流れる血、それを手の甲で拭うと頬にまで赤く血の痕が伸びる。


「シナガワ

 お前ってやつはよくもまあ
 毎度毎度懲りねえなぁ」

「それはこちらの台詞ですよ、イズモさん
 いやっ、イズモ君と言った方が
 よろしいかな?
 
 跡目だと崇められても何ひとつ
 お変わりのないようで」

「シナガワ、おまえっ
 誰にもの言ってる!」


二人の話の間に割り込んだのは、右田。
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