深海魚Lover
「なってもいいよ

 でも、二ばんめのママだよ

 それでもいいのかなぁ~

 だめぇ?」


駄目かと聞かれたら、駄目ではないけど……

そこまではまだ早くて、そうまだ何も始まってないもの。


もう京次さんってば、潤司君を困らせるような事を言うから!


その時だった、出雲さんがサッと潤司君を抱き上げて言う。


「そうだよなぁ、ジュン
 
 一番は、もういるもんなぁ」


出雲さんは意味ありげに京次さんを見つめた。


二人の間に何があるのか、私にはまだ分からない。


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こうして、ひょんなことから京茨先生こと、京次さんと行動を共にする事になってしまった私。


貴方に頭を撫でられた事がきっかけで、私は本当の自分に気づく事ができた。

人と距離を取っていたはずの私が、本当は誰かに構ってもらえる事を望んでいただなんて……


自分から傷つく事を恐れ煩わしさから人と疎遠になったくせに、一人きりになればそこにはもっと傷ついている私が居て。


誰とも話さない日々は、私からいろんな物を奪ってゆく。

貴方に触れられて、私の心の声は言葉になった。
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