深海魚Lover
『気味悪いから見ない方がいい』

『何言ってるの、大丈夫よ

 ほらっ、早く見せなさい』

『じゅん、痛くすんなよ』



黙ったまま、貴方の視線は私を捉えてる。

見つめられていることが分かる程、熱い眼差しに私は緊張する。


「ジュッ、ジュン君
 
 はい、できた

 これでもう安心ね」

「うん

 じゃあ、おえかきする
 
 メイちゃんもしようよ」

「うん、そうだね
 
 だけど、これ先に片付けちゃうね

 ……
 
 ところでイズモさん
 ごめんなさい、起こしてしまって」


私のかけた声に、出雲さんはハッとして驚いている。


「あっ、いやっ!
 
 ……何で、おまえが謝るの?
 
 謝る事無いだろ」

「あっ、そっか、そうでした」


また意味もなく謝ってしまったことに反省しちゃう私に、出雲さんは問いかける。


「何?」

「えっ私、その、謝るのが癖みたいで
 ケイジさんにも注意されてたのに」


『とりあえず、謝っとけばつうの?
 そういうのやめにしろよ……』
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