おさななじみ五人組!~五つの恋の物語~
「琴花なら、いけるかもって思ったんだけど…やっぱりダメか」
「ちょっと待って?ってことは、奈留も、玲音も、爽もダメだったの?」
そんなぁ。
どうしちゃったの、美紗の家?
私の言葉に、奈留は肩をすくめた。
「玲音は行かなかった」
「爽は?」
「・・・知らない」
うつむいて、小さくつぶやく奈留。
おかしいよ、皆仲良かったのに・・・。
私はぎゅっと手をにぎりしめると、ぽんと奈留の肩をたたいた。
「ってことは、ずっと奈留一人で美紗んちとたたかってたってこと?」
「・・・うん」
「お疲れ様!」
私がにっこり笑うと、奈留はびっくりしたように目を見開いた。
「・・・え?」
「今からは私も一緒に、美紗んち入れるようにがんばろう!」
「・・・うん、ありがと」
そういって、奈留はちょっとだけ、照れくさそうに笑った。