甘く熱いキスで
「嫉妬、復讐、生きる意味……全部、無理矢理作ったものでした。そして、それらをユリア様に向けることが間違っていると知っていました。知っていて……本当の生きる意味をくれるユリア様を傷つけました」
ヴォルフの視線をしっかりと受け止めながら、フローラに似ていると思っていたユリアにもヴォルフの面影はあるのだと……そんな些細なことを思う。
少し赤みがかった瞳はフローラとヴォルフの色が混ざったような色。強く真っ直ぐ相手を見つめる視線や強気な言動は、紛れもなく国王から受け継いだものだ。
「許されなくても仕方のないことだと思っています。ですが……まだチャンスがあるのなら、ユリア様が私を必要としてくださるのなら、私は残りの人生をユリア様と私たちの子に捧げます」
言い終えると、ヴォルフは長い息を吐き出した。それから少しの沈黙があり、再びヴォルフが口を開く。
「……お前の気持ちは覚えておく。今日はもういい。しばらく城の客室で生活できるよう手配してある。先に戻っていろ」
「はい」
ライナーは頭を下げてエントランスへと歩き出した。
これは、王家の――そしてフラメ王国の――問題だ。ユリアとライナーの結婚には、ヴォルフやフローラ、議会の意思が少なからず含まれる。
ライナーがベンノに危害を加えてしまった今、それをヴォルフが“功績”として扱ってくれなければ、ライナーとユリアの運命はひとつにはならない。
ヴォルフの視線をしっかりと受け止めながら、フローラに似ていると思っていたユリアにもヴォルフの面影はあるのだと……そんな些細なことを思う。
少し赤みがかった瞳はフローラとヴォルフの色が混ざったような色。強く真っ直ぐ相手を見つめる視線や強気な言動は、紛れもなく国王から受け継いだものだ。
「許されなくても仕方のないことだと思っています。ですが……まだチャンスがあるのなら、ユリア様が私を必要としてくださるのなら、私は残りの人生をユリア様と私たちの子に捧げます」
言い終えると、ヴォルフは長い息を吐き出した。それから少しの沈黙があり、再びヴォルフが口を開く。
「……お前の気持ちは覚えておく。今日はもういい。しばらく城の客室で生活できるよう手配してある。先に戻っていろ」
「はい」
ライナーは頭を下げてエントランスへと歩き出した。
これは、王家の――そしてフラメ王国の――問題だ。ユリアとライナーの結婚には、ヴォルフやフローラ、議会の意思が少なからず含まれる。
ライナーがベンノに危害を加えてしまった今、それをヴォルフが“功績”として扱ってくれなければ、ライナーとユリアの運命はひとつにはならない。