甘く熱いキスで
「ハッ、だから裏切り者は信用ならんと助言をしたのに」
「っ……ひ、む……」
「汚い口で俺の名を呼ぶな。俺はお前の上官だぞ?」
ゆっくりと顔を上げると、アヒムが不気味な笑みを浮かべてライナーを見下ろしていた。呪文で剣を弾こうとしたため、傷口は浅く済んだようだが、アヒムは剣を突き刺す力を緩めない。呪文への集中力が薄れていくにつれ、剣がライナーの身体へ深く潜り込もうとする。
ライナーは痛みで鈍る思考で、アヒムの立場ならば城の敷地内でも怪しまれず行動できることに気づいて舌打ちした。アヒム側の人間でない者は何人か殺されたかもしれない。
治療室で待機していたクラドールは床に倒れこんでいて、生死も定かではない。血が流れていないため、希望はありそうだけれど。
「タオブンもファルケンも裏切り、王家さえも欺いて、お前は死ぬのだろう?ベンノ・カペルをこのチャンスに斬れば、お前が罪を背負ってくれる。俺が北の権利を手に入れる!この王女も、お前のような罪人に騙される役立たずだ。フラメ王国には必要ない!」
剣を引き抜かれ、首をつかまれて身体を床に叩きつけられる。ライナーは咳き込みながら床に手をついて身体を起こした。自分の流した血で滑り、うまく身体が支えられない。
再び振り下ろされた剣を呪文で弾くのが精一杯だ。
「チッ」
ガンッと、頭を蹴られて床を滑り並んだベッドの鉄筋に思いきりぶつかると、ライナーはあまりの衝撃に一瞬意識が飛んだ。
「っ……ひ、む……」
「汚い口で俺の名を呼ぶな。俺はお前の上官だぞ?」
ゆっくりと顔を上げると、アヒムが不気味な笑みを浮かべてライナーを見下ろしていた。呪文で剣を弾こうとしたため、傷口は浅く済んだようだが、アヒムは剣を突き刺す力を緩めない。呪文への集中力が薄れていくにつれ、剣がライナーの身体へ深く潜り込もうとする。
ライナーは痛みで鈍る思考で、アヒムの立場ならば城の敷地内でも怪しまれず行動できることに気づいて舌打ちした。アヒム側の人間でない者は何人か殺されたかもしれない。
治療室で待機していたクラドールは床に倒れこんでいて、生死も定かではない。血が流れていないため、希望はありそうだけれど。
「タオブンもファルケンも裏切り、王家さえも欺いて、お前は死ぬのだろう?ベンノ・カペルをこのチャンスに斬れば、お前が罪を背負ってくれる。俺が北の権利を手に入れる!この王女も、お前のような罪人に騙される役立たずだ。フラメ王国には必要ない!」
剣を引き抜かれ、首をつかまれて身体を床に叩きつけられる。ライナーは咳き込みながら床に手をついて身体を起こした。自分の流した血で滑り、うまく身体が支えられない。
再び振り下ろされた剣を呪文で弾くのが精一杯だ。
「チッ」
ガンッと、頭を蹴られて床を滑り並んだベッドの鉄筋に思いきりぶつかると、ライナーはあまりの衝撃に一瞬意識が飛んだ。