甘く熱いキスで
2人の運命
ライナーが回復した後、ベンノ・カペルとアヒム・ブラントの陰謀とビーガー家の関与を議会で公にし、事件はエルマーの思惑通りに収束した。
ライナーは王家のために働いた功績を得たが、周囲の彼への評価は相変わらずだ。長年の刷り込みもあれば、今回またビーガー家が関わっていたことも大きな原因の一つである。
陸軍の再編成や議会の混乱も収まり、ようやくフラメ城が落ち着きを取り戻したのは1週間ほど経ってからだった。
「ユリア、ライナー。お前たちの話を聞こう」
そして今、ユリアとライナーは、謁見の間でヴォルフとフローラと向き合っている。ヴォルフに促されて顔を上げた2人は、お互いの手を握って国王と王妃を見据える。
「本日、私ライナー・カペルは、ユリア様との婚約、及び婚姻をお許しいただきたく参上致しました。数々の非礼は百も承知です。ですが、これからは彼女と新しい命を守っていくことを誓います」
「私からもお願いします」
ライナーに倣ってユリアも頭を下げると、ヴォルフはため息をついて立ち上がった。そしてライナーの目の前まで歩いてくる。
「これからどうするつもりだ?」
そう問われて、ユリアはゆっくりと顔を上げてヴォルフを見据える。
「私……自分が未熟だって、わかっているつもりよ。このお城の中では、何も考えなくても生きてこられた。でも、このままじゃダメだから。私……」
ユリアはフローラへと視線を移し、続けた。
ライナーは王家のために働いた功績を得たが、周囲の彼への評価は相変わらずだ。長年の刷り込みもあれば、今回またビーガー家が関わっていたことも大きな原因の一つである。
陸軍の再編成や議会の混乱も収まり、ようやくフラメ城が落ち着きを取り戻したのは1週間ほど経ってからだった。
「ユリア、ライナー。お前たちの話を聞こう」
そして今、ユリアとライナーは、謁見の間でヴォルフとフローラと向き合っている。ヴォルフに促されて顔を上げた2人は、お互いの手を握って国王と王妃を見据える。
「本日、私ライナー・カペルは、ユリア様との婚約、及び婚姻をお許しいただきたく参上致しました。数々の非礼は百も承知です。ですが、これからは彼女と新しい命を守っていくことを誓います」
「私からもお願いします」
ライナーに倣ってユリアも頭を下げると、ヴォルフはため息をついて立ち上がった。そしてライナーの目の前まで歩いてくる。
「これからどうするつもりだ?」
そう問われて、ユリアはゆっくりと顔を上げてヴォルフを見据える。
「私……自分が未熟だって、わかっているつもりよ。このお城の中では、何も考えなくても生きてこられた。でも、このままじゃダメだから。私……」
ユリアはフローラへと視線を移し、続けた。