甘く熱いキスで
初めてのデート(2)
幕が下りると、ユリアは大きく息を吐き出した。途中休憩を挟んで約3時間、ユリアはライナーと手を繋いだまま無事に一般席でオペラを観劇することができた。お尻は痛いけれど、それが気にならないくらい素敵な歌声に魅了されたと言っていい。
ライナーとユリアはどちらからともなく立ち上がり、顔を見合わせる。少し微笑み合って出口へと向かいながら、ユリアはライナーに声を掛けた。
「ライナー、楽しめた?」
「えぇ。でも……正直に言いますと、ユリア様の可愛らしい手の方が気になっていました」
繋がれたままの手を持ち上げられ、ユリアは頬を染めた。
「ごめんなさい」
「なぜ謝るのですか?とても有意義な時間でしたよ」
「わ、私も……ライナーが隣にいることを感じられて、嬉しかったわ」
ヴォルフとフローラがコンサートやオペラを観るときはいつも手を繋いでいるのを不思議に思っていたけれど、なんとなくわかった気がする。
一緒にいるということを肌で感じられることは、安心もするし、相手の気持ちの変化をわずかながら理解できるように思う。
「ねぇ、ライナー。公園まで一緒に行きましょう。貴方もそこから帰るでしょう?」
「はい」
できるだけ長く一緒にいたくて、ユリアはライナーの手を握り直した。劇場のエントランスを出て、同じように帰路につく人々の波に混ざって歩く。
ライナーとユリアはどちらからともなく立ち上がり、顔を見合わせる。少し微笑み合って出口へと向かいながら、ユリアはライナーに声を掛けた。
「ライナー、楽しめた?」
「えぇ。でも……正直に言いますと、ユリア様の可愛らしい手の方が気になっていました」
繋がれたままの手を持ち上げられ、ユリアは頬を染めた。
「ごめんなさい」
「なぜ謝るのですか?とても有意義な時間でしたよ」
「わ、私も……ライナーが隣にいることを感じられて、嬉しかったわ」
ヴォルフとフローラがコンサートやオペラを観るときはいつも手を繋いでいるのを不思議に思っていたけれど、なんとなくわかった気がする。
一緒にいるということを肌で感じられることは、安心もするし、相手の気持ちの変化をわずかながら理解できるように思う。
「ねぇ、ライナー。公園まで一緒に行きましょう。貴方もそこから帰るでしょう?」
「はい」
できるだけ長く一緒にいたくて、ユリアはライナーの手を握り直した。劇場のエントランスを出て、同じように帰路につく人々の波に混ざって歩く。