甘く熱いキスで
「今は…………」

人差し指をちゅっと口に含まれ、ユリアの身体の奥が切なく疼く。しかし、ユリアが吐息を漏らすのと同時にピリッとした痛みが指先に走り、ライナーの唇が離れた。

「ぁ……」

少し赤くなった指先にはライナーの気が纏わり付いている。

ライナーは自分の右手の人差し指でユリアの唇に触れた。ユリアは誘われるように口を微かに開く。そこから差し込まれる指先に神経を集中させて気を放つと、ライナーの腕がピクッと跳ねた。

濡れた指先は、ユリアと同じように赤くなり、ユリアの気を纏わせている。

炎を介しての会話は、相手の気をインプットしなければ繋がらない。本来はお互いの気でお互いの指を少しばかり火傷させるだけでいい。火傷、とは言っても攻撃的な呪文ではないので針で指されたようなわずかな痛みが一瞬あるだけだ。肌が赤くなるのもすぐに引く。

「毎日、連絡します」
「うん……約束よ?」

ユリアのわがままに、こうやって応えてくれるライナーに……期待してしまう。でも、それを口に出すことはできなくて、ユリアはまたライナーの胸に頬を寄せた。

「帰ってきたら、真っ先に会いにきて……」

そう、もう一つのわがままを伝えると、ライナーは「はい」と答えてユリアを抱きしめてくれた。
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