甘く熱いキスで
教会に入ったユリアは、遠くに見える呪文競技場が燃えていないのを確認して扉を閉めた。更衣室の扉は燃えただろうが、仮にも精鋭部隊に所属する人間が8人もいたのだから消火くらいどうってことない作業だろう。
最前列にライナーを座らせ、ユリアは彼の前に跪いた。
「いつも……あんな風に、されていたの?」
こみ上げてくるものを必死で抑えて聞く。泣くのは、ユリアじゃない。
けれど、あの日――ライナーの走り方に違和感を覚えた日、クラドールが“健康診断”だと言ってライナーを診た日――気づかなかった暢気な自分が不甲斐なくて、涙で視界が滲んだ。
すると、ライナーはフッと息を吐き出して「えぇ」と答えた。何もかも諦めたような彼の表情に、ユリアはライナーの膝を拳で叩く。
「どうして我慢するの?ライナーは何も悪くないのに、どうして反論しないの?」
「……以前も、お話ししたでしょう?反論しても、何も変わらないのです」
ライナーはユリアの頬にそっと手を添えた。
「ライナー……」
「変わったのは、私を庇う貴女が……私の前にいることです」
ユリアは流れ落ちてしまった涙を隠すようにライナーに抱きついた。ライナーの膝を跨ぐように膝を椅子について、ライナーの頭を引き寄せる。
「いる……ライナーのそばに、いるから…………私は、貴方のこと、軍人として認めているわ。何があっても、貴方のことを信じているし、貴方の味方でいるって約束する」
すると、ライナーはユリアの身体を少し離し、ユリアを見つめる。
最前列にライナーを座らせ、ユリアは彼の前に跪いた。
「いつも……あんな風に、されていたの?」
こみ上げてくるものを必死で抑えて聞く。泣くのは、ユリアじゃない。
けれど、あの日――ライナーの走り方に違和感を覚えた日、クラドールが“健康診断”だと言ってライナーを診た日――気づかなかった暢気な自分が不甲斐なくて、涙で視界が滲んだ。
すると、ライナーはフッと息を吐き出して「えぇ」と答えた。何もかも諦めたような彼の表情に、ユリアはライナーの膝を拳で叩く。
「どうして我慢するの?ライナーは何も悪くないのに、どうして反論しないの?」
「……以前も、お話ししたでしょう?反論しても、何も変わらないのです」
ライナーはユリアの頬にそっと手を添えた。
「ライナー……」
「変わったのは、私を庇う貴女が……私の前にいることです」
ユリアは流れ落ちてしまった涙を隠すようにライナーに抱きついた。ライナーの膝を跨ぐように膝を椅子について、ライナーの頭を引き寄せる。
「いる……ライナーのそばに、いるから…………私は、貴方のこと、軍人として認めているわ。何があっても、貴方のことを信じているし、貴方の味方でいるって約束する」
すると、ライナーはユリアの身体を少し離し、ユリアを見つめる。