甘く熱いキスで
「ライナー……好き…………っ、好き……」

この気持ちは、伝わっているだろうか。

ライナーも同じように想ってくれているだろうか。

ユリアの耳元で少し荒い呼吸が響き、ゆっくりとライナーの腰が動き始める。ユリアは必死にライナーにしがみつき、ライナーの熱を感じた。

初めて会ったときは冷たいと思ったライナーの体温は、ユリアに近づいて……ユリアを揺さぶる。

「やっと…………」

ライナーが何か呟いたけれど、ユリアにはそれを正確に聞き取るだけの余裕などなく、ユリアは激しくなっていくライナーの動きに喘ぐ。

何度も刻まれる熱でわけがわからなくなる頃、ライナーの苦しそうな声が漏れてユリアの目の前でパチパチと炎が弾けたような気がした。

静まり返った教会には、2人の熱い呼吸の温度と音が広がった。ライナーも荒い呼吸を繰り返しながら倒れ込み、ユリアの首筋を鼻先でくすぐる。

ユリアはライナーの身体を抱きしめ、高い天井をぼんやりと見上げた。

気だるさと下腹部の違和感は拭えないけれど、ライナーと結ばれたことが嬉しくて他に何も考えられない。

言葉にできないほど……こんなに幸せな気持ちがこの世にあるなんて、今まで知らなかった。

赤色のステンドグラスを通した月は、満月だ。微かに赤く輝くそれは、ユリアとライナーの運命の色――…
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