My☆Teacher
「梨代がいれば、暑さも寒さも関係ないよ」

毎度おなじみのスイーツのような甘い笑顔を浮かべ、先生が言った。

「何ですか、それは…」

楽しいの次は、関係ないですか。

でも…うん。

「来年の7月に…」

「ん?」

あたしは口を閉じた。

「どうかした?」

「…別に」

先生の目から逃げるように、あたしは横を向いた。

来年の7月、それも祇園祭がやっている京都に2人で旅行に行きませんか…って。

そう言おうと思ったけど、先生が調子に乗るのは目に見えている。

だから、言わない。
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