My☆Teacher
みんなガヤガヤ騒いでるうえに、調理に熱心でそれどころじゃない。

隣の雪美だって、あたしの呟いた声に気づかなかった。

「砂糖は…」

砂糖が入った小瓶を手にとって、あたしはふと思った。

だったら…もうとびきり甘くして先生にあげようかしら?

そうなると、先生もあたしのことあきらめるかな?

マズい料理作る子なんか大嫌いみたいな感じで。

大量に砂糖を入れようとした手を、止めた。

――お菓子作って欲しいな

浮かんだのは、先生の言葉。

チキショウ。

心の中で毒づくように呟くと、砂糖を少し入れた。

ガトーショコラは、甘さひかえめだな。

そう思いながら、生地を混ぜた。
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