それでも。愛して…。
私の右肩には、不思議なあざがある。
でもそれは、はたから見れば
入れ墨のようなもの。
どこかの国の言葉のようなもので
何かが書いてある。
AM7:00
制服に着替えようとパジャマを脱いだ。
鏡にうつる私の右肩には、あのあざが。
「愛羅ーーっ
いい加減起きなさい?」
あざをじっと見つめていると
1階から母の声が聞こえた。
「いい加減おきてるーー」
制服に着替えスクバを持ち
1階に行く。
「あれ?お母さん着物?
今日なんかあったっけ?」
リビングにつくと、母は忙しそうに
帯をしめていた。
「今日は山口の補佐の人達と食事会なの」
母は、鏡にうつる自分を見て
ようチェックしてる。
「山口だなんて珍しい」
私がパンを食べながら答えると
「それだけ世の中不景気ーーー」
口を尖らせながら話していた。
「同情するなら?」
私は母の前に行きジェスチャーをする。
「金をくれ…なーんてゆってごらんなさい?」
母は、途中まではノリがよかったものの
私のジェスチャーの手をパシンッと
はらいのけ、私のリボンを直した。
「一瞬で人生のどん底♡
終わったね」
私はまんべんない、えみで答えた。