それでも。愛して…。

「おーはよっ」

下駄箱で靴を履き替えてると

友達のリリアが話しかけてきた。

「ねねー今日さ、新しいALTくんの
知ってたーーー?」

「さぁ?しらーんな」

彼女は私の顔をのぞきこみながら

にこにこと話している。

私も、にっこり返した。

「てめーら早く席付け」

担任の加藤雅人がタバコを加えながら

歩いてきた。

生徒たちからは“まさ”と呼ばれている。

「加藤先生、ここは禁煙なので」

後ろを歩いてた校長が咳払いをした。

「さーせん」

加藤はポケットに入ってた

携帯用のケースにタバコを入れ消した。

「おめーら、今日集会だかんな
時間内に早くいっとけ」

相変わらず口の聞き方が悪い。

「藍原」

いきなり名前を呼ばれ驚いた私は

体がビクッとはねた。

「なーに?まさー」

私は加藤先生の、前に行った。

身長差が……………。

口の聞き方は悪いくせに

イケメンの8頭身。

〝いけめん。腹立つなーーー〟

心の中でそう思いながら見つめていた。

「今日の集会なにあるか分かってるよな?」

加藤先生は注意されたすぐあとにも

関わらずタバコを加えている。

「新しいせんせーとかぁー?」

だるそうに答える私。

まー実際だるいけど……。

「そーそー。そいつ……ジェイク先生が
お前に話があんだとよ。
今すぐいってこーい。」

「は?ぜっーーーたい、やだ」

加藤先生は肩をポンポンと叩いた。

私はどーんっと先生の肩を押した。

「なーんでな」

先生は私の手をギュッと握った。

…………握った???

「ちょーいまち。
セクハラな♡」

「…………」

私が握られた手を挙げて言うと

驚いた顔をした。

「とりあえず。
行ってきなさい。」

パッと、手を離しタバコを加えなおす。

「かんなりめんどいんだけど」

私がポケットに手を入れながら

歩きながら言った。

「いってこい」

今度は真面目に睨まれた。

「わかったよー
いきゃぁいいんでしょー?
いけばーーー」

私は喋りながら歩いて職員室に向かった。

コンコン

ガラガラ

職員室のドアを叩き、開けて中に入る。

「あいじまーーー」

近くにいた体育の相島先生に声をかける。

「なんだよーーっ」

相島は寝ていたのか飛び起きて

機嫌悪そうに答えた。

「ジェイクって、どこにおんの?
まさがぁー話しあっからいってこいって」

相島の、座ってる席に行きながら言った。

「こっちー」

いきなり後ろから声がしてふりかえると

そこにはまさ、…加藤先生より

イケメンで身長もある外人が立っていた。

「あなたがジェイクー?」

「そーですネ」

私が彼の前に立つと。

やっぱ。でかい。

「なにー?話しって」

「ダリア」

私がまた、だるそうにしてると

さっきまで笑ってたジェイクが

いきなり怖い顔をして名前を呼んだ。

「…は?。」

「アナタのなまえ。だりあ」

私が下から彼を睨みつけると

彼は上から私を睨みつけた。

「ふざけんなよな
2度とその名前で呼ばないで
話がそれだけなら。
もーーいいっしょ?アリーナ行くわ」

ガラガラ

バタンっ!

私はキレながら職員室をあとにした。
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