噂のあの人
え、なんで。
「あのっ、なんでっ?」
「カラオケ屋で様子がおかしかったから、後つけてたんだよ。
そしたらこんなこと。
お前どういうつもりだったんだ?」
「っぅう。そんなのあんたに関係ない。
自分の体なんだからどうしようと関係ないでしょ。」
「そーだよ。関係ねぇよ。
だけどな、そんな安売りみたいなことすんなよ。」
「なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないわけ?」
もう最悪。
友紀にだって隠してたのに。
こいつにバレるとは。
今夜は家に帰んなきゃかな。
高島くんの腕を振り払って、
駅の方に向かって走った。