永遠なんてない。

ーーー………
ーー…


試合が終わり、カナコと私は会場を後にした。

重い空気が、私たちに流れる。


「負けちゃったね…」


カナコが口を開いた。


「うん…」


「あー、桜宮先輩のバスケ姿も最後だったなー!」


17番から離れたボールは、綺麗な弧を描きながら、ゴールに向かった。


誰もが、入ると思った。


でも、ボールはガコガコと音を立てて跳ね返り、ゴールに入らなかった。


それと同時に鳴り響くホイッスル。


名倉学園の選手が全員出てきて、歓喜をあげる。


その逆に、附属高校の選手たちは、その場に泣き崩れた。

隣で、カナコも泣いている。

私も、泣きそうになるのを堪えながら、17番の方を見た。


17番は、呆然とした表情でその場に立っていた。


拳を握りしめて、バスケットのゴールを黙って見ていたー…。


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