永遠なんてない。

彼は、地面を見ながら、静かに泣いていた。


「…うっ」


なんでか分からないけど、私は彼に話しかけていた。


「…あの…」


「…っ」


ズズッと鼻を啜り、彼は顔を上げた。


ー…17番の人だ。

17番の彼は、目に涙を沢山溜めていた。

目に溜まりきれなかった涙が、彼の頬を濡らしていた。


「…ズッ」


「……これ、どうぞ」


私は、ポケットからハンカチを取りだし彼に渡す。


「……」


少し、驚いたように頭を下げ、ハンカチを受け取った。


「あ…そのハンカチ、あげます」


「…すみません」


彼は、そのハンカチを目に当てて、泣いた。


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