永遠なんてない。

どれくらい、そうしていただろう。

私は、ずっと立って彼を見ていた。


次に彼が顔を上げた時、目の周りが真っ赤になっていた。


「……寒く…ないの?」


彼は、心配そうに私に聞いてきてくれた。


「平気だよ」


本当は、かなり寒かったけど、彼を1人に出来なかった。


「……ありがとう」


「……試合のことで泣いてるの?」


「ーえ?」


「あ、ごめんなさい…。私、試合見てたの…」


「…そうなんだ…。もしかして、附属の子?」


「…うん」


「…そっか」


急に、空気が重くなった。


「…笑っちゃうよなぁ。あんな大事な場面で外すなんて」


「……」


「ほんと、情けないよ」


そう言って、自嘲するように笑った。


< 32 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop