永遠なんてない。

どうしようかと思っていると、

「え、いいのー?」

という、よっ子の嬉しそうな声が聞こえて、こちらに来た。


「松岡くんが貸してくれちゃった。生物の先生、うるさいもんね」


よっ子は、生物の教科書を私に渡してくれた。


「ありがと…。あの、松岡くんって…?」


「ん?あー、アタシの隣の席の人だよ〜」


そう言われ、よっ子の席の隣を見る。


あ…。


そこには、静かに頬づえをつきながら、窓の外をみる、17番の彼の姿があった。


ボーッと見てしまった。


「希衣、本礼なるよ!」


「あ、うん!よっ子ありがと」


2人で生物室に駆け込む。


「間にあった〜」


「……」


松岡くんって言うんだ…。


松岡くん…。


なぜか、顔がニヤけてしまった。



< 38 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop