永遠なんてない。

君の好きなもの


あの日から、松岡くんと私は頻繁に会うようになっていた。

というより、私が昼休みに体育館に会いに行っていたのだけど。


その頃は、多分まだ、友だちとしか見ていなかった。


三年生も卒業したその日の放課後、私はカナコを連れてバスケ部の見学に行った。


「あー!桜宮先輩、第二ボタンまさかの誰にも上げないなんて…」


どうやら桜宮先輩は、第二ボタンどころか、他のボタンも誰にも上げなかったらしい。

カナコは、相当落ちていた。


「残念だね」


「桜宮先輩ってば、超爽やかな笑顔で、「ごめん、ボタンは誰にもあげないよ」なんて言ったんだよ!」


爽やかって…。

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