永遠なんてない。

「ー…下手くそ」


そんな声が聞こえた。


「…松岡くん…」


松岡くんが、体育館の入り口に立っていた。


「…何でいるの?」


松岡くんはそう言って、こちらに近づいてくる。


何でいるの…って。


君に会いに来た。だなんて、口が裂けても言えない。


「バスケをしに…」


とか、アホなことを言ってしまった。


「おぉ。練習熱心だね」


松岡くんは冗談ぽく言うと、私の手からボールを奪った。


「…すごい下手くそだけど」


「ひどいなぁ!私、初心者なんだけど!?」


「あははっ。冗談だよ」


松岡くんは、笑いながらシュートを決めた。


「すごい!」


「森田選手、次どうぞ。」


ボールをパスされる。


森田選手って…。

完全に馬鹿にしてるな。


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