ねぇ、ぼくじゃダメなの【短】
さっき距離を取ったはずなのに、すぐ後ろから…。

というか、すでに抱きしめられていた。

いわゆる、後ろから突然“ギュッ”…とだ。

「あ、あの…。さくらい、さんっ…」
「俊哉って呼んでよ」

耳元で、俊哉(トシヤ)の声が囁く。

「か、からかってるんですかっ」
「ぼくの本気、伝わらない?」

そんなこと言われても、仕事でしか関わったことがないから、本気かどうかなんて分からない。

「知ってる?ぼくさ、真帆ちゃんが入ってきた時から、可愛いなぁって思ってたんだよね」
「えっ…」

突然の俊哉からの告白。

後ろから抱きしめられている状態の為、表情までは分からない。
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