緒方くんとあたし。




みなさんがいるなかで、一度打ってみろ、ということになり、佐伯さんという兄弟子さんと打ってみることにした。

「あの、でも、あたし、勝つ碁はできないんですけど」

「へ?」

みなさん、目を丸くして見てくる。

「あの、亡くなった父から持碁の練習だけさせられてたので」

「!!」

なにか、部屋が静まり返ってしまった。

へんなこと、言ってしまったのだろうか?





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