緒方くんとあたし。
「、、、、、ふむ。とりあえず、ここの佐伯君と打ってみようか。彼は院生になって日は浅いが君とやれないわけじゃない。佐伯君、相手をしてあげて。」
打つこと、30分ばかり経った頃。
「、、、、、ありません」
佐伯さんはそういった。
みなさん、一言も口を出すことなく、ただ、先生の反応を伺っている様子だった。
「!」
見れば、先生は涙を浮かべて、碁盤をじっと見つめていた。
「、、、、、君のなかに大吾がいるな。」
「!」