緒方くんとあたし。
ダイニングで溜まった仕事をこなしているおかあさんが、頬杖を突いて話しかける。
「巷はクリスマスでしょ?家の中にいるより外へ出て元気をもらってきなさいよ」
「じゃ、おかあさんも一緒にいこうよ」
熱々のコーヒーをすすりながら、冗談じゃないと言う顔をして、
「あたしは仕事が残っているし、外にいてもおとうさん思い出しちゃうから行かない。だから、行ってお出で」
と、半ば強制的に家を追い出された。