緒方くんとあたし。





ふ、と緒方くんの手を見るとうっすらと血が滲んでいる。

緒方くんの周りがちりちりとしている。

買ってもいない喧嘩をさせられたからか、気が立っているみたいだ。



「でも、だめだよ、こんなことしちゃ」

血の滲んでいる手にハンカチをあてようとしたら

「バッ!!!」

手を払われた。


視線が射るように冷たい。

思わず身が竦んでしまった。





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