緒方くんとあたし。





「、、、、、、、ごめんなさい」


身の置き所がなくて、縮こまった。


はーっ、とため息が聞こえる。


「俺の見た目であいつら寄って来るんだよ。好きでやってるだけなんだから、放っておいてくれってかんじ」

血の滲んだ手を開いたり閉じたりしながら、だるそうに首を回して、とろとろとまた歩き出す。


碁が好きで、

不良で、

けんかがやたら強くて、

冷たかったり、

優しかったり。



本当に不思議な人だ。










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