緒方くんとあたし。
「いま、桜井先生が志乃のお師匠さんのことを話されていて、もし碁を続けるなら、先生のところへ来ないかって言って下さってるんだけど、どう?」
どうって言われても、、、、。
チラリ、と向かい側に座る男の人を見たら、目が合ってしまって思わず目を伏せた。
「志乃ちゃん。君がもし、また碁を打ってみたいと思うなら、そしてプロを目指すというなら、私のところで勉強してみないかい?何人か門下生もいるし、楽しいと思うのだが。」
「、、、、、」
「亡くなった大吾先生にずっと付いていた君だから、他の先生につくのは抵抗があるとは思う。けれど、このままでいればプロにはまずなれない」
「、、、、、」
わかりきったことを言わなくたって。