緒方くんとあたし。
「それでね」とおかあさんが続けた。
「もうすでに推薦で高校も決まっているでしょう?あの高校は桜井先生のご自宅から近いから、この際、先生のご自宅で住み込ませてもらったらどうかと思うのだけど」
それを聞いて瞬間的におかあさんの方を見た。
「おかあさん?何言って」
ゆっくりと優しい微笑を乗せていくおかあさんの顔は少し寂しげで、
「、、、、、実はね、この家二人で住むにはちょっと広すぎて管理も大変なの。だから、借家にしてどなたかに貸そうと思うのよ」
「え?じゃ、あたしたちはどうなるの?おかあさんは?」
急に言われて、あたしも矢継ぎ早に言葉が出てくる。