緒方くんとあたし。
部屋へと戻って、自分のベッドにバフン、と体を投げた。
天井の木目を黙って見つめて一人、考えていた。
おかあさんの言いたいことはわかっている。
プロになるなら、人の力を惜しんじゃいけない。
でも、勉強も大事だ、と言って、あたしに進学させたのは他ならぬ両親だった。
だから、おかあさんは絶対に高校は卒業しろ、そういう条件で桜井先生の門下に入れ、というに違いない。
あたしにそんな器用なことができるだろうか?
おとうさんのこと、考えないわけじゃない。
プロ、、、、。
できるんだろうか、あたしに。
なりたいとは思う。
でも、、、、、。
何気なく机の上に目を向ければ昔撮った家族の写真がそこにあった。
「おとうさん、、、、、、」