Special Magic !
Magic.1
助け人
ぐー、きゅるるるる。
お腹すいた…。
ぐーっ、きゅるるるるるる。
お腹が、すいた。
ぐーっ!きゅるるるるるるる。
お腹が、すいたよおおおおお!
心の中で叫びながら
私よりも重たく大きいリュックを
背負いフラフラと歩く。
オレンジ色の石畳を眺めながら
ここ最近口に何もいれていないなぁ
と、ぼんやりと考えた。
震える指でおもむろに
猫の顔の形をした黒色のがま口財布を開くが…。
「……」
案の定、なんにもない。
………ああっ、あああああっ!
お腹すいたああああっ!
もう、力が出ないよー。
歩けないいいい。
ヘタと石畳に座り込んでしまった。
魔法を使う気力がない、というか
魔法使っても意味がない。
ご馳走を魔法で作るにも
材料というものがいる。
そんなさ、何もないところから
種も仕掛けもなく
ご馳走がでるわけないじゃん!
そんなことできたら
お店なんて意味なくなっちゃうよ!
純血の魔法使い(見習い)だからってね、何でも出来るわけじゃないのー。
魔法はそんなに万能じゃないんだよー。
あー、魔法が万能だったらなあ。
まず大きな豪邸を作って、
お金をわんさか出して、
かっこいい旦那さんを貰って、
ぐっふっふっふっふっ。
ぐー、きゅるるるる。
…………。
現実はこんなもんだよ。