守られるより守りたい!
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坂城君=優しい人。




今でも、なぜだったのかはわからない。


あたしは特別、見た目でも、性格でも、勉強とか運動とかの才能でも、目立った点は無かった。


ごく普通の一般女子だったはずだ。



だけども、あたしはなぜだか小学3年生の時、クラスの男子から嫌がらせを受けていた。


筆箱が無い事(すぐ見つかるけど)、教科書に落書きがされている事(鉛筆だからすぐ消せるけど)、ポニーテールをぐいっとひっぱられる事(そして転んでよく笑われた)は、しょっちゅうだった。


今思えば、ひたすらに幼い嫌がらせだ。


だけどあたしも同レベルに幼かったあの頃は、そんな事でよく泣いたものだ。


母にも言えずに、苦しんでいたあの頃。


ポニーテールは嫌がらせされるから嫌って言えなくて、母のお気に入りのポニーテールにされていて困ったあの頃。


今思えばどれも懐かしい。


そんな懐かしい記憶は、断片的にしか覚えていない。


記憶喪失とかそういうものじゃなく、ただ単に昔の事だから忘れただけだ。


この嫌がらせが長く最近まで続かなかったのには理由がある。


この嫌がらせは、始まった小学3年生の春から数カ月、小学3年生の秋に終わったからだ。


そしてこの嫌がらせを、終えてくれた人がいた。


今でも忘れられない…あの日の事は。


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