守られるより守りたい!


あの時、先生は言っていた。


『でも近くの町だから、中学校とか高校とかで会うかもしれません』


だからユカは、新学期になるたび坂城君の話題を出してくる。


「でもさ、ユカ?中学に入学する時とか、高校に入学した時とかじゃないとあり得ないと思うよ?だってそうじゃないともう一回坂城君が引っ越ししてこの町に来なきゃいけない事になるじゃん」


「へ?…、あ、そうか。中学、あっちの町なんだもんね。転校って事は、引っ越さなきゃかぁ…」


そう言って、しょぼんとした顔をするユカ。


その様子を見て、あたしは思わず聞いてみる。


「何?ユカって、坂城君の事好きだったの?」


「はっ!?違うよ!?なんであたしが!?」


思った以上に否定されて、思わずびっくりしてしまう。


だけど驚かされたのは、その次の発言だ。




「だって坂城君は亜稀の王子様でしょ!!」



「はっ!?」


思わずさっきのユカと同じように返してしまう。


「な、なんで!?なんで坂城君があたしの王子様なの!?」


「え?亜稀って、坂城君の事好きなんじゃないの?」


「ち、違うよ!!」



そう言うとユカは、えー?という顔であたしを見た。



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