守られるより守りたい!
「そうだよ、ヒーロー!」
「え~…、なんでー?運命の王子様じゃないの?」
ユカが納得しない顔でそう言う。
「王子様じゃないっ!」
あたしはそう言いきった。
「大体もう会う機会なんてないんだから。そんな人に夢見てもどうしようもないよ。あたしは憧れてるだけだよ、人間として坂城君の事を。あんな事ができる人に会ったことないもん。すごいなぁっ…って。ただそれだけだよ」
そう言ってユカを見ると、ユカが「つまーんなーい!」と声をあげた。
なんでユカが不満そうなんだ。
「ちぇ。じゃぁ別に恋愛感情じゃないんだ」
「そうだよ!そうだってさっきから言ってるでしょ」
「じゃぁ亜稀が変わったのも、ただの坂城君への憧れだったんだ」
「そうだよ!…、ん?どゆこと?」
話の流れ的に肯定しておいたけど、なんかよく分かんなくて聞き返す。
「亜稀、変わったじゃん。強くなったよ。まるで坂城君みたい」
「えー…?そうかな…?」
「うん。そうだよ。変わったもん。自覚しなよ。」
そう言われても、全然分かんないんですけど。