守られるより守りたい!
2年生、1年生がぞろぞろと出ていって、体育館の中には3年生と先生数人だけが残る。
「えー、皆に残ってもらった理由は、たぶんもう分かってると思うが…」
あたし達の前に学年主任の岩井《Iwai》先生が立つ。
「今から、転校生を紹介するーっ」
その一言で、皆がおおーっ!と歓声をあげる。
「おーい、入ってこーい!」
その声を合図に、ガラッとドアが開いた。
あたしはその瞬間、呼吸が止まった。
「じゃ、自己紹介しろ」
「…坂城、陵馬です。よろしくお願いします」
背も伸びて、髪も伸びて、でも確かにあの時の彼であると認識できた。
もう二度と、あり得ないことだと思っていた。
あたしの目の前に、坂城君がいた。