守られるより守りたい!
「ねぇねぇねぇねぇ!!やばくない!?超イケメンだったよね!?」
ハイテンションの最高潮を越えたような感じなハイテンションの千春を前に、あたしはただ呆然としていた。
まるで、あの日のように。
「きゃーっ!どうしよう!しかもしかもしかもさっ、同じクラスってどゆ事!?やばくない!?」
「はいはいはい。千春、分かったから。静かにしなさい。」
教室内はざわざわしていたけど、その中でも特別うるさい千春をユカが静かにさせる。
それでも「きゃーどうしよまじで!」とか言ってるけど。
「…亜稀、どうする?」
千春がまた自分の世界に入ったため、ユカが小声よりかは大きな声で、でもひそっと聞いてきた。
「…どうするなんて…、分かんないよ」
あり得ないと思ってた事が起きて、どうすればいいかなんて、分かるはず無い。
だって起きることはないと思って、何も考えてなかったんだから。
「…でも、やっぱ…うん、会えて嬉しいよ」
「…そっか、じゃぁ良かったね」
ユカはきっと、何かを心配していたんだろう。
でもよく考えれば、何を心配する必要があるんだろう。
「まぁ、別に元彼とかじゃないんだもんね。会えて嬉しいくらいかぁ、やっぱり」
ユカは心配した顔をしていたかと思うと、つまんないのという顔に変えてこっちを見た。
「つまんなくてごめんなさいねーだ」
「何がつまんないのー?亜稀ちゃん」
自分の世界から戻ってきた千春が、不意に会話に入ってくる。
「ああうん、なんでもないよ千春」
「ふぅん、そっか!」
そういえばなんでか分かんないけど、千春の前では坂城君の話は隠す感じになっている。
今までは千春に話す必要がなかったから、だけど…。
今となっては、千春にも関係があるとも言える。
だけどもこの、話してはいけない感はなんでなんだろう?
ま、いちいち話す必要もないか。