守られるより守りたい!
「ユカ、別にあたし坂城君の前が嫌じゃないよ?びっくりしただけで。坂城君は恩人だもん」
「…そうだよね。そうだけど…、あのヘラバカ茶髪はイラついたわ」
ユカ、縮めちゃったよ…。
「先生のばかぁ。なんで転校生の席にしてくれなかったんだろ?そしたらあたし、結構近かったのにー…」
「それでも同じ列ってだけでしょ?千春」
「でもでもぉ、遠いよりはいいじゃんっ」
「ていうか、何?千春って、坂城君に一目惚れした?」
ユカがそう聞くと、千春は「ん~?」と首をかしげた。
「一目惚れっていうかぁ…、アイドルみたいな?あたしにとって坂城君は、アイドルって感じぃ。王子様じゃぁないかなぁ?」
「…亜稀とは違うけど、王子様じゃないのは一緒なんだ…」
あたしにとって坂城君はヒーロー。
千春にとって坂城君はアイドル。
…坂城君って、すごいなぁ。