守られるより守りたい!
「はぁ…終わったー!」
両手をグーン!と伸ばしてそう叫んだ時には、もう皆が帰ってから1時間は経っていた。
喜びの声で叫んでも、教室内はやっぱりシーンとしたまま、何も返ってこない。
「………帰ろ…」
やっぱり淋しくなって、さっさと鞄を持って教室を出た。
鍵を職員室に戻しにいくとヘラヘラバカ茶髪こと川井先生は「おっ、終わったのか~!お疲れちゃ~ん」などと言い笑いながらコーヒーを飲んでいたからとりあえずコーヒーを奪いぶっかけようと思ったけどあくまで相手は一応先生であるから我慢して憎しみを込めた満面の笑みを返すだけにしておいた。
職員室を出ると、廊下には生徒が本当に誰もいなくて寂しくなった。
ユカも千春も用事があるみたいで帰っちゃったから、長い長い帰り道も一人だ。
「はぁーぁ…」とためいきをついた瞬間だった。
「やっ、やめろよ!!」
そんな声が聞こえて、思わず振り向いた。
中庭の方から声がして、思わずそっちへ走っていった。