守られるより守りたい!
「あのその短い髪、やっぱ似合ってるよ」
「へ?」
「何?それ、俺が言ったから?」
坂城君のその言葉に、思わず自分の髪を触れる。
「あっ、うん。まぁね…。あの頃から、ずっとこの髪型だよ」
「へぇ…てか、茶色かったっけ?」
「え?ああ、4年生の頃から水泳やってたから、そのせいで。中1でやめたけどね」
「ふぅん」
坂城君はそう言うと、手をポケットに突っ込んで
「変わったな、神澤」
と言った。
「坂城君のおかげだよ。今、あたしが人を助けることができるのも、短い髪でいるのも、全て始まりは坂城君なんだよ。本当に、坂城君には感謝してもしつくせないの。本当に、本当にありがとね、坂城君」
口からこぼれ出たその言葉をそのまま、坂城君に伝えると、坂城君は「ふぅん」と言って、顔をそむけた。