守られるより守りたい!
#2
坂城君=うーんと…せ、生徒?
「神澤、チーコロ!」
「あー、はいはい。チーコロね、はい」
「うんめ」
あれから何十日かは経った。
もっと具体的に言えば、2ヶ月くらい経った。
あれからも哀しき貿易、いやむしろ一方通行のプレゼントfor youは続いていた。
あたしのお弁当の神、GOD of lunchの北海道チーズポテトコロッケ略してチーコロ(坂城君命名)は、あっけなく坂城君の口におさまっていく。
そのためお母さんには、理由を隠して2つ入れて貰っている。
1つはすぐパクッと食べてしまうから、坂城君はその事を知らない。
ていうか知られたら取られる。
そもそも初めから2つをぱくぱくっと食べちゃえばいいじゃん、とユカに言われたのだが…。
そんな事はもう試したが、坂城君に食べた瞬間を見られ、満面の笑みに添えた殺意でもう半分くらい殺されたから不可能なのだ。
故にあたしは1つは完全確保し、もう1つはプレゼントしている。
人々はその光景を見て、ぽつりと言った。
まるで、〝餌付け〟だと………。
あたしが坂城君を、〝餌付け〟していると………。
え?あたしが坂城君を誘惑してるって事?
まぁとにかく、そんな目でこっちを見てくる女子とかが、時々いる。
一言言っておくが、千春ではないよ!「ずるぅい亜稀ちゃん!」とは言ってくるけど。