守られるより守りたい!
「ふぅん、神澤って頭良かったんだ。意外」
「意外って何、意外って」
「あはははっ、さっきの坂城君と同じ言い方してるよ神澤さん!」
榎並さんが、よく分かんないポイントにウケている。
「ていうか、もうテストかよー…、メンドくせぇ」
「坂城君って、頭いいんだっけ?」
少なくとも4月の頃のあたしの中の坂城君像は、頭がよくて運動もできるような、そんなヒーローだったけど。
もちろん、今はそのカケラも感じられない。まぁ、運動神経は良いけど。
「頭いいか悪いかっつーより、勉強は嫌いだ」
「神澤さん、坂城君って勉強だめだよ。特に数学。この前の小テストなんて、50点中の27点だったよ。あたし見ちゃったんだけど」
榎並さんが、こそっと話してきたが、そのこそっとも悲しい事に坂城くんの耳に入っていたらしい。
坂城君が榎並さんを睨んで、「榎並てめぇ」とぼそっと呟いた。