守られるより守りたい!
「…なんかさ、坂城君はいい人…じゃないけど、悪い人でもないじゃん」
「悪い人だよ。…でもまぁ、今はどうでもいいか」
ユカにとっての坂城君は、悪い人なのか。
「…まぁ、それなりの優しさもあるじゃん…ちっぽけだけど。…で、坂城君ってさ、変わったじゃん。小学校の時から…」
「変わったね」
「ほっ、ホント今更なんだけど、…なんで変わったんだろうって、ホント今更なんだけど!そう、思っちゃって…」
「…なるほどね」
そういうとユカは、さっきとは違うように、ははって笑った。
「亜稀はやっぱりさ、優しくて自分を助けてくれたヒーロー坂城君の方がいいわけ?」
「へ?」
「今の坂城君と、昔の坂城君。どっちがいいの?」
ユカの目は、あたしを刺すようだった。