守られるより守りたい!
「ほら、始めようぜ」
机を指先とトントンとしながら、坂城君がそう言う。
テスト前だというのに、この自習室はあまり人気がなかった。
今日は暑いからだろうか。
家に帰って扇風機の風にふかれながら勉強した方がよく進むからかなぁ…。
「なにボーッとしてんの?」
「ふぇ!?」
考え事をしているうちに、坂城君に頬をつままれた。
「ふぉ、ふぉっとふぁなして」
「何言ってんのかわかんねーよ」
にやにやとしながら面白そうにあたしの頬をむにむにする坂城君。
…べ、勉強するんじゃないの!?
そんな事を考えていると、すっと手が離れた。
「…ん、じゃぁ勉強やるぞ」
「へ?…う、うん」
なんだか急に静かになった坂城君に、ちょっと違和感を感じた。
それにしても、6月なのに暑すぎないか?
体温があがってる気がするのは、気のせいかな…。